2024.06.25 家づくりの豆知識
注文住宅の外観はどう決める?後悔しないデザインのポイントと注意点を解説します!
注文住宅は自分好みの家を建てられるというのが最大の特徴ですが、そのポイントはいろいろあります。
例えばプラン、間取りや動線といったものであったり、キッチンなどの設備であったり、断熱や気密といった性能面、そして外観やインテリアなどのデザインがあげられます。
せっかく自由設計で家を建てるのであれば、気に入った外観デザインにしたいと思うのは当然だと思いますが、住宅雑誌やインターネット記事などを見ても、様々なデザインに目移りをして、「どれもいいな・・・」と悩んでしまうということもあります。
今回はそんなデザインの決め方や種類、注意点について解説させていただきます。
目次
1.住宅デザインの大まかな種類とは?
・和風デザイン
・モダンデザイン
・洋風デザイン
・ヨーロピアン調デザイン
・和洋折衷デザイン
・その他のデザイン
2.後悔しないデザインの決め方とは?
・デザインとは?
・実用性も検討する
・数十年後の将来も考える
3.外観デザインの注意点とは?
・見た目の良さだけにとらわれない
・間取りと外観を切り離して考えてはいけない
・構造上の負担が大きいデザインは避ける
・メンテナンス性も考慮する
4. 外観デザインで費用が掛かりやすいところは?
・外壁材や屋根材の素材の費用
・建物の形状によってかかる費用
・飾りなどの装飾品にかかる費用
5.まとめ
1. 住宅デザインの大まかな種類とは?
外観のデザインには様々な種類があります。
とはいえ、これは厳密なものではなく「こんな感じがいいな」と思える外観の大まかな方向性としてとらえていただくのが良いかと思います。
・和風住宅
昔から日本に伝わる落ち着いた雰囲気が特徴のデザインです。
差しかけの屋根や和瓦など、重厚で伝統を感じられるそのデザインは長年住み続けて年齢を重ねた時により価値を感じられることでしょう。
職人さんによる瓦葺や造作など、手がかかるところが多いため建築費用は高額になりがちですが、ほかのデザインにはない独特の雰囲気はより満足度を高めてくれます。
・モダンデザイン
モダン住宅とは、シンプルで直線的なデザインで素材や色彩は無機質な雰囲気の外観です。
もともとはモダニズム建築、つまり近代建築は機能的で合理的な建築がもとになっているのですが、少し意味合いが変わってきていますね。
イメージ的には城を基調にしたキューブ状の外観デザインで、ゴテゴテとした装飾を控えたインテリアや、外観のデザインをスッキリとシンプルにまとめた格好良さの住宅です。
・洋風デザイン
洋風デザインとはとても幅が広いデザインです。
現在日本で建築されている住宅では中華風やその他アジア地域の外観デザインは一般的ではないため、和風以外の外観デザインは洋風といってしまっても良いかもしれません。
洋風デザインの中でも個性が強いヨーロッパなど一部の建築様式を取り入れたデザインなどが独立したデザインとして確立されてきました。
・ヨーロピアン調デザイン
イギリスやフランスなどの街並みのイメージしたヨーロピアン調のデザインとなります。
これらも厳密にはその地方ごとに特徴は異なりますが、可愛らしいデザインが人気です。
オレンジ色の洋瓦にベージュがかった塗り壁や、テラコッタ調のタイルなどで仕上げたデザインはプロヴァンス風とも言われ、日本でも根強い人気があります。
他にも北欧風やブリティッシュデザインなど様々な特徴的な外観に分かれます。
これらはデザインが特徴的なため、ご自身のこだわりを強く印象付けられるのが特徴です。
おしゃれでかわいらしさ生活を楽しみたい方にはピッタリのデザインではないでしょうか。
・和洋折衷デザイン
和洋折衷とは、日本様式である和風デザインと西洋様式のデザインを掛け合わせて調和させたデザインを指します。
和風・洋風の良いところを取り、どちらからも違和感のないデザインは幅広い年代からも受け入れられるでしょう。
二世帯住宅などで各々世帯の好みが分かれた場合など、双方の意見を取り入れることができるためあらゆるニーズに応えることができます。
・その他のデザイン
これらに分類されない様々な外観デザインもあります。
例えばシンプルなモダンデザインでありながら和の装飾や、建材を使用した「和モダン」などといわれるデザインもあるため、外観の選び方は様々です。
ただ、いかなる外観デザインだったとしても印象として「違和感がない」ということが永く愛する家にするためにも念頭に置きながら検討することをお勧めします。
2.後悔しない外観の決め方とは?
様々な外観デザインがありますが、どのように決めるのが良いのでしょうか?
後悔しないためにも検討すべき要素をご説明します
・デザインとは?
ここまで何度も使われてきた「デザイン」というフレーズ。
これは具体的にいうと「住宅に必要な機能や特性を構成し、装飾を工夫すること」だといえます。
つまり、見た目だけにこだわった家や暮らしやすさを犠牲にして設計された家はデザインといえないのではないかと思います。
・実用性も検討する
必要な機能や特性を構成するため、住宅としての本分である暮らしやすさも踏まえたうえで外観デザインと合わせていく必要があると考えます。
せっかく自分好みの外観の家を建てたとしても、動線や広さなどの使いづらさがあると後悔につながってしまうでしょう。
・数十年後の将来も考える
家は建てたその時だけで完結するものではありません。
そこから家族が成長し、独立して家族構成が変わることもあれば、趣味嗜好の変化やメンテナンスなども含めて様々な変化を迎えることになると思います。
定年退職後の過ごし方や年を取ってからの家との向き合い方など、少し家を建てる時に考えるのもいいかもしれません。
3. 外観デザインの注意点とは?
外観デザインを考えるうえでの注意点をいくつかあげていきたいと思います。
もちろんメリット・デメリットと様々ありますが、事前に想定しているのと住んでみて初めて気づくのでは大きな差があります。
・見た目の良さだけにとらわれない
先ほども触れましたが見た目の格好良さだけにこだわって、実際の使い勝手を無視してしまっては、暮らし始めてからの後悔につながります。
デザインとは見た目だけでなく、機能性つまりは使い勝手や暮らしやすさという面も含めて初めてデザインといえます。
もちろん、外観を好みに仕上げるために出てくる制約を設計上の工夫で補うことでクリアできることも色々とあります。
設計段階で建築会社とイメージの共有をしっかりとしておきましょう。
・間取りと外観を切り離して考えない
家づくりでは間取りは間取り、外観は外観と切り離して考えがちです。
しかし実際には、この間取りにした結果として建物の形状が決まってきます。
土地の広さや形、駐車スペースやお庭、使いやすくて無駄のない動線、充実した収納スペース、そうした様々な要素と、外観デザインのバランスを考えることが大切です。
外観デザインの中で重要なこだわりポイントを明確にしておくことで、設計段階でそのポイントをおさえつつプランニングすることも可能です。
・構造上の負担が大きいデザインは避ける
住宅はその構造によって家の強度の取り方が異なってきます。
施工することは不可能ではありませんが、建物への負荷が大きくて将来的に弱点になってしまうようなデザインは避けるべきです。
例えば屋根材、軒の深さなどが分かりやすいでしょうか。
軒の部分が深ければ深いほど、夏の日差しなどを遮ることができます。
しかし柱など支えずに軒が長くなるごとに、軒先にかかる負担が大きくなってしまいます。
将来的に大雪などによって屋根が垂れ下がったり、最悪の場合破損してしまう可能性もあります。
地震対策なども考えしっかりと強度が取れる家にすべきといえるでしょう。
・メンテナンス性も考慮する
外装材の中にはこまめなお手入れを必要とする建材がいくつかあります。
例えば本物の木の羽目板を使用した場合は、定期的に塗装しなければ黒ずんできたり質感がガサガサになってしまいます。
これもそうしたメンテナンスを想定したうえで取り入れることと、暮らし始めてから初めて気づくのでは大きく違います。
使う素材の特性を理解したことで、より満足のいく外観デザインの住まいにすることができます。
メリットだけでなく、デメリットについても建築会社に説明を受けたうえで検討すると良いでしょう。
4.外観デザインで費用が掛かりやすいところは?
デザインにはこだわりたいけれど、当然費用も気になるところ。
素材や装飾などどのようなところが費用の増額につながるのでしょうか。
・外壁材や屋根材の素材の費用
外観にこだわるのであれば素材にもこだわりたいところ。
外壁材も一般的に普及しているサイディング材ではなく磁器タイルを選んでみたい・・・そんなご要望は多々あります。
当然、サイディング材と比較してタイル仕上げの方が高額になるため、事前に希望を伝え予算組みをしっかりと行うのが良いでしょう。
他にも屋根材など使う素材の仕様変更が考えられます。
外装材を変更すると100万円単位で金額が変わることもあるため注意が必要です。
・建物の形状によってかかる費用
建物の金額を検討する際に、坪あたりいくらになるのかを基準にする場合が多くあります。
もちろんこれは目安であり、仕様や建物の形によって金額が大きく変わることがあります。
例えば真四角で総2階の家と、1階にも屋根があってデコボコした家を比べた場合では外周面積などが変わってきます。
当然費用の上乗せにもつながってきますので無理な凹凸は控えた方が価格も抑えられ、構造的にも安定します。
そのようなデザインを取り入れる時には構造計算なども行って、きちんとした耐震性能を担保することも大切ですので、費用と形のバランスを検討することが重要です。
・飾りなどの装飾品にかかる費用
デザインによってはフラワーボックスや妻飾りなど装飾品を施工した方が、外観デザインとしてまとまりが出ることがあります。
そうした装飾品も当然費用はかかってきます。
場合によってはフェンスやインターロッキングなどの外構工事によって家の雰囲気がグッとよくなりますので、あらかじめ検討の余地に加えるのも一つだと思います。
5.まとめ
住宅の外観デザインは様々な種類があり、注文住宅であればこだわりを実現することも可能です。
ですが見た目の格好良さだけに目を引かれて、「家」の機能として重要な使い勝手や暮らしやすさを無視することはおすすめできません。
デザインはその機能性や、家族の生活を守る住宅だからこその構造躯体の強さも含めて構成すべきだとも思います。
一般的な仕様に比べて高額になりやすい費用面に加え、機能性やメンテナンス性といった実用性のバランスを考えつつ、理想を実現していくことが重要だと思います。
是非この記事を参考にデザインについてご検討いただけますと幸いです。
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