2024.02.04 家づくりの豆知識
建ててから気付いても遅い?二世帯住宅のメリットとデメリットを解説します!
考え方や生活習慣が違う親世帯と子世帯が一つ屋根の下で暮らす二世帯住宅。
お互い助け合えることもあれば、価値観の違いからすれ違ってしまうこともあるでしょう。
建ててしまってから気付いても遅いメリットやデメリットをあらゆる角度から見てみましょう。二世帯住宅を建てるのであれば絶対に知っておきたいポイントを分かりやすく解説します。
目次
1.二世帯住宅とは?
2.二世帯住宅の種類
・完全同居型二世帯
・部分共有型二世帯
・完全分離型二世帯
3.二世帯住宅で暮らすメリットとは?
・建築費が抑えられる
・生活費が抑えられる
・子育て・介護の協力が得られる
4.二世帯住宅のデメリットとは?
・価値観や生活スタイルの相違によるストレス
・費用の分担などによってトラブルが起きやすい
・相続なども視野に入れ家族間の調整が必要
5.二世帯住宅の登記はどうなるの?
6.まとめ
1.二世帯住宅とは?
二世帯住宅とは親世帯・子世帯がともに一緒に暮らすために建てた住まいのことです。
一緒に暮らすと聞くと「同居」をイメージされる方も多いと思いますが、現代では必ずしもそうではありません。
同じ家に暮らしていてもそれぞれのライフスタイルやプライバシーを重視するように設計するケースが増えています。
また、自治体によっては二世帯住宅を新築することによって補助金を受けられる場合もありますので、事前にチェックすることをお勧めします。
2.二世帯住宅の種類とは?
一口に二世帯住宅といっても様々なスタイルがあります。
大きく分けて3つあり、それぞれの暮らし方に特徴がありますので、自分たちにはどの二世帯住宅が合うのかを話し合うことが大切です。
こうした話し合いをおろそかにすると、いざ新築後に暮らし始めてから様々な問題が起きることも考えられます。
・完全同居型二世帯住宅
完全同居型とはキッチンや浴室、トイレなどすべての水廻り設備などを親世帯と共有します。
一般的な住宅に親世帯の個室が増えただけなので、比較的建築コストを抑えることができます。
反面生活習慣の違いや、プライバシーの確保などにより合う、合わないが特に顕著に表れるスタイルになります。
・部分共有型二世帯住宅
部分共有型とは玄関は共有でもキッチンや浴室、トイレなどは別々といったように一部分を共有するスタイルです。
それぞれの世帯のライフスタイルを維持しやすく、かつコミュニケーションを取りやすいスタイルです。
1階・2階に分かれる上下分離型と玄関などから右・左で区画を分ける左右分離型があります。
・完全分離型二世帯住宅
全然分離型とはキッチン・浴室・トイレなどの水廻りだけでなく、玄関も分けてお互いの区画を完全に仕切られています。
お互い屋内で行き来できないためプライバシーを確保しやすく、生活習慣の違いが気になりにくいスタイルといえるでしょう。
ただ設備などがまるまる2軒分必要なためその他のスタイルよりも建築費が高くなりやすい点は注意が必要です。
3.二世帯住宅で暮らすメリットとは?
それでは別々に暮らすことに比べて二世帯住宅にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
すべてのケースに当てはまるわけではありませんが、大きく3つのメリットが考えられます。
・建築費をおさえることができる
住宅を2軒新築する費用に比べ、若干面積が大きくなって価格が上がったとしても1軒の建築で済む二世帯住宅は費用をおさえられます。また、親が所有する土地に建築するのであれば土地の購入費用も不要なため、大幅なコストカットになります。
・生活費をおさえることができる
電気代や水道光熱費など共有部分が多いほど、分担することによって別々に支払うよりも基本使用料なども含めてお得になります。
ですが、世帯ごとの使用量に応じて支払う割合を話し合っておくことをお勧めします。
・子育て・介護の協力
近年では共働き夫婦であることが当然のようなご時世で、親世帯に子供を見てもらえるというのは安心材料であり、保育料などの軽減にもつながります。
逆に親世帯の体が弱った際の介護なども家族で協力することもできるでしょう。
4.二世帯住宅のデメリットとは?
・価値観や生活スタイルの相違によるストレス
別々に暮らす世帯だったとしてもひとつ屋根の下に生活しているため、お互い相手の目を気にしてストレスが生まれます。
・費用の分担などによってトラブルが起きやすい
建築費の分担割合によってはどちらかの世帯の立場が弱くなってしまう場合があります。またメリットの部分で上げた、分担することによって光熱費を軽減できるという点ですが、逆にその料金の支払い割合によっては不満を持ってしまうことがあります。
共同生活後の生活費の分担など一定のルールに関してもきちんと話し合う必要があります。
・相続なども視野に入れ家族間の調整が必要
ご兄弟がいなければさほど問題になりませんが、二世帯住宅に住む子世帯が土地と建物を相続することになると思います。また建築費用の支払いについて事前に兄弟間でも事前に了承を取る必要があります。他にも将来相続でもめないためにも遺言書などの作成も考えなくてはなりません。
5.二世帯住宅の登記はどうなるの?
二世帯住宅を計画する際、間取りや資金と同様に気になるのが、名義や相続のこと。
土地は誰の名義になるのか、建物はどうすればいいのか解説します。
二世帯住宅の場合
・親世帯の土地に建て替えで二世帯住宅を建てる
・新規に土地購入をして二世帯住宅を建てる
・親世帯の預貯金で建てる
・子世帯がローンを組んで建てる
など、様々な状況があるかと思います。これらの場合、名義はどうなるのでしょうか?
実はどのような場合でも、原則はひとつです。
「誰がどれだけ資金を出したか」その比率に応じて、名義の比率も決まります。
例えば、親世帯の土地に二世帯住宅を建てれば、土地は親世帯の名義となり、
建物のみ、資金を出した比率に準じてそれぞれの持ち分とすることになります。
また、新規で土地購入をする場合は、土地・建物それぞれの出資比率で、
持ち分が決まります。
名義の考え方は、とても解りやすいといえます。
また二世帯住宅といっても、登記によっていくつかの形があります。
・単独登記:親または子どちらか1人がすべての資金を負担し、出資者の名義で
所有する。
・共有登記:親と子がそれぞれ資金を出し合い、建物を分割せずに出資割合に
応じて共同で所有。
・区分登記:親と子がそれぞれ資金を出し合い、二戸の建物として所有する。
どのような登記になるかは基本的に出資の仕方で変わります。
双方が出資し合っていて、どちらかの単独登記にした場合は贈与となり、贈与税がかかる場合がありますので、注意が必要です。
6.まとめ
二世帯住宅で問題が起こるとするとおそらく価値観や生活スタイルの相違でしょう。いくら身内とはいえ、価値観は多少異なります。それが育った環境の異なる義理の親子の場合では、違って当然です。また、実の親子でも、育った時代背景や環境が異なるため、生活スタイルは異なります。起床の時間、食事の好みなど、細かく挙げればキリがないでしょう。
このような価値観や生活スタイルの違いをお互いが理解し、認め合うような家族関係ができているのであれば出発点としては合格ですが、そのような「仲のいい」関係が長期的に続けられるかどうかがもっとも重要な問題です。
確かに二世帯住宅は、親子両方の世帯にとってメリットがあります。子育てひとつとってみても、祖父母とのふれあいから子供(孫)たちが得ることの大きさは計り知れません。祖父母の側も、子供世帯との暮らしの中で得られる刺激は大きいはずです。家庭の味も代々受け継がせることが容易でしょう。病気の時の看病や、旅行や外出の時の留守番も頼めます。
金銭面でみても、1世帯分の土地に2軒分の家を建てれば土地代が安く済み、光熱費も分担すれば、別々に支払うよりお得です。
住宅ローンにしても、親子リレーローンなどを利用すれば返済期間を長くできるため、毎月の負担を軽くすることが可能です。つまり、良好な家族関係を長期的に維持できるなら、さまざまなメリットが得られるのが二世帯住宅なのです。
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