2023.12.13 家づくりの豆知識
【なぜ平屋建てが人気?】平屋を建てる際のメリットとデメリットなどを分かりやすく解説します!
【なぜ平屋建てが人気?】平屋を建てる際のメリットとデメリットなどを分かりやすく解説します!
最近高い人気を誇る平屋住宅。
当社でもお問い合わせの際に平屋をご希望される方がとても増えました。
ご家族構成などを見ると様々ですが、ご夫婦の2人住まいやご夫婦+子どもの単世帯、祖父母+ご夫婦+子ども2人の6人住まいなど、幅広い層からの支持を得ていることが分かります。
そもそも平屋建てとはどういう建物なのでしょうか?またメリットやデメリットはどういったことがあるのでしょうか?
ご家族の暮らしやすさや将来的なライフスタイルを考えた設計でご提案する立場で見た、平屋建ての魅力や注意点を分かりやすく解説していきます。
目次
1.平屋建てとは?
2.平屋のメリットとは?
①バリアフリーを考慮した設計にできる
②コンパクトな設計にできる
③耐震性や建物強度を確保しやすい
④メンテナンス費用を抑えられる
3.平屋のデメリットとは?
①建築費用が高くなる
②室内への採光や通風を確保しづらい
③狭い土地には不向き
4.まとめ
1.平屋建てとは?
平屋とは端的に言ってしまえば一階建ての住宅です。
一般的には1階にLDKや水廻り、2階には寝室や子供部屋といった二階建てが多いのですが、そうした住居として使うスペースをすべて1階に集約しています。
寝室へと向かうのに階段を上る必要がないためバリアフリー性が高く、子供たちが独立した後に子供部屋などの使わなくなった部屋を省いてコンパクトな住まいとして、まずは注目を集めました。
確かに使わないお部屋が何部屋もあってはお掃除も大変ですし、無駄に物置になってしまうケースも多いですね。余分なものを無くしてスッキリとした生活が送れるということが平屋の大きな魅力になっているのだと思います。
そんな平屋住宅を検討するうえで、どういったことに気を付けるべきでしょうか?
せっかく希望通りの家を建てたとしても、最初に思い描いた生活や使い勝手と違う…というように立ててから後悔しないためにも平屋住宅のメリット・デメリットの両方を確認することが大事です。
2.平屋のメリットとは?
それでは平屋建てのメリットとはとういったものがあるのでしょうか?4つのポイントを解説いたします。
①階段がないためバリアフリーを考慮した設計にできる
身体の不自由な方やご高齢の方が生活する場合、階段を利用した上り下りを不便に感じられると思います。当然踏み外して怪我をしてしまうリスクもあるため、バリアフリーを考慮した設計の場合にはより平屋の住まいが望ましいといえます。
②階段のスペースを必要としないためコンパクトな設計にできる
同じ面積の2階建ての建物と比較した場合、1・2階の階段部分を別の用途で使うことができます。当然その分の面積を削ることができますので、同じ部屋の広さでも延床面積を小さくすることができます。
そこに生活動線や収納スペースを効率的に考えておくことによってコンパクトで暮らしやすい平屋住宅を実現することができます。
③建物の重心が低くなるため耐震性や建物強度を確保しやすい
2階建ての建物で耐震性を高める上では壁量をしっかり確保することとともに、柱や壁(耐力壁)が1階・2階の上下同じ位置に配置される直下率の割合を高めることが重要になります。対して平屋建ては2階部分がないため直下率の割合による耐震性の影響もなく、重心が低いため地震の際にも安定性が高いことが特徴に挙げられます。
これからの人生を過ごす家では、地震や災害などにみまわれた際のことも考え家を建てるということも重要です。
④外壁などのメンテナンス費用をおさえられる
通常外壁の塗装などのメンテナンス工事を行う際は足場を必要とします。しかし、2階建ての家と違い大がかりな足場工事が必要ないことが多く、結果的に費用をおさえることができます。外壁のメンテナンスは素材にもよりますが、10年~15年ごとに一回位の頻度で塗り替えやシーリング(コーキング)の補修を行うことが望ましいとされています。
住宅ローンを毎月支払いながら、生活費・教育資金に加えてメンテナンス費用が高額になってしますことは、とても苦しく感じるのではないでしょうか?仮に建築時の費用が若干上がったとしても、メンテナンス性の高い設計や建材を検討することは将来の費用負担を減らし、30年などの長期スパンで考えると特になることはあります。
3.平屋のデメリットとは?
それでは逆に平屋建てにはデメリットがあるのでしょうか?こちらも3つのポイントを解説していきます。
①同じ面積の2階建てと比べて建築費用が高くなる
なぜ一般的に平屋建ては2階建てと比べて価格が高くなるといわれているのでしょうか?
その中で大きな理由としては基礎と屋根にあります。例えば1階15坪、2階15坪の延べ床面積が30坪の総二階(1階と2階が同じ面積)の家を建てるとしたら、コンクリート基礎の面積15坪とガルバリウム鋼板などの屋根の面積も15坪となります。
では同じ面積で平屋建ての場合、二階がないため1階が30坪の家となりますのでコンクリート基礎が30坪で屋根が30坪と、同じ延床面積で建てるとしても基礎と屋根の施工面積が2倍ですので、価格が高くなります。
しかし、階段などのスペースが必要なくなればその分コンパクトにできますので、設計の工夫次第で建築費用の差を縮めることはできると思います。
②室内への陽の光の取り込みや風通しが悪くなりやすい
二階建ての住宅の場合、日当たりの良い南側に1階・2階ともに居室を配置することができます。もしくは吹抜などによって2階から採光を取ることも考えられますが、1階建ての平屋では面積が平面に増えていくので陽の光や風を取り込める外周部に接する部屋が限られたり、部屋が並ぶことによって建物の中で通風を取ることが難しくなります。
もちろんプランニングやデザインによってカバーできる部分もありますので、建築会社との綿密に打ち合わせを重ねることが大切となります。
③街中などの狭小地には不向き
これから年を重ねていくことを考えると見晴らしの良い開けた地域よりも、商業施設や交通手段が豊富な市街地の方が暮らしやすいとお考えの方もいらっしゃると思います。
しかし市街地は敷地面積が狭めで坪単価は高めな傾向があるのですが、実はそういった土地と平屋建ての相性は良くありません。
何が問題になるかというと建ぺい率です。建ぺい率とは敷地に占める建築面積の割合のこと。建築面積とは建物を真上から見た際の面積ですので、基本的には1階面積+外の柱や壁が出ている部分などが含まれます。
地域ごとにこの建ぺい率の割合は違うのですが、隣地への日当たりに対する考慮から市街地は50%~60%ほどに設定されていることが多いのです。
例えば50坪の敷地で建ぺい率が50%の地域の場合、建築できる平屋の面積は25坪が最大となってしまい、家族3人で暮らそうと考えた場合に理想の広さを確保できないことが考えられます。
4.まとめ
現在人気の平屋について解説させていただきましたがいかがでしたでしょうか?
もちろん平屋住宅はメリットもたくさんありますが、デメリットも当然のごとく存在します。「人気だから」とか「良さそうだから」といった理由ではなく、大切なことはあなた自身が望む生活と、ライフスタイルが平屋というスタイルに合うかどうかです。
コンパクトハウスに適した平屋は無駄な部屋をなくすことがメリットでもありますが、何かの事情で家族が増えたりスペースを必要とした場合には融通が利きにくくなりますので、20年後・30年後など長期にわたったライフスタイルを考えることが大切となります。
優プランでは自由設計のご提案により平屋建て・二階建て・二世帯住宅などお客様のご希望に合わせた住まいをご提案します。松本市や安曇野市の気候に合った高気密・高断熱・高品質な注文住宅を、土地の状況に合わせて一からプランニングいたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人
児玉 忠(注文住宅ハウスアドバイザー/ファイナンシャルプランナー)
中学生と小学生の2児の父で45歳、新卒時から23年間にわたり注文住宅のハウスアドバイザー一筋で、100棟以上の新築住宅のお客様をお手伝いしている。
ファイナンシャルプランナーでもあるため、住宅ローンの資金計画などを含めた総合的な提案を行っている。