2023.03.25 家づくりの豆知識
家づくりの豆知識
最近、さまざまな商品が値上げしていますが、住宅においても値上がりしています。
住宅が値上がりすると建てることを躊躇してしまいますが、一体どれくらい値上げされているのでしょうか。
今回は、値上がりしている原因や値上げ率、これから建てる際の対策についてご紹介します。
なぜ住宅が値上がりしているのでしょうか。
その大きな原因は、「ウッドショック」です。
ウッドショックとは、日本国内において住宅を建てる際の木材価格高騰を理由に住宅価格が高くなっていることを言います。
日本の住宅メーカーは、住宅を建てる際に利用する木材の7割を輸入木材に頼っています。
しかし、新型コロナウイルスの流行がきっかけでさまざまな要因から輸入材の価格が上がり、住宅を建てる際の価格にも影響しているのです。
新型コロナウイルスによる輸入材価格が高くなっている原因の1つに、アメリカや中国での住宅需要が増加したことが挙げられます。
アメリカや中国では、リモートワークが推進されたため、郊外で住宅を購入する動きが加速しています。
これらの国では、莫大な財政出動や住宅ローン政策が取られているので、新築住宅を購入する人が多くなります。
そのため、木材の需給のバランスが崩れてしまい、日本の輸入材の価格が上がっているのです。
また、労働者不足も原因です。
海外において、コロナ禍で労働者が減少し、木材の伐採が円滑に進んでいません。
カナダで発生した害虫被害やオーストラリアの大規模な森林火災なども木材の減少の原因となっています。
では、実際にどのくらい値上げされたのでしょうか。
輸入木材の価格は、3倍から4倍になり、国産材も需要が増えたことにより2倍以上に値上げされました。
木造住宅にかかる木材費用は建築費用の1割なので、木材価格が高くなると建築費用に大きな影響を及ぼします。
アイアンショック・オイルショックの影響により、2022年に入ってから多くの住宅設備メーカーが値上げしました。
値上げ率は以下の通りです。
・キッチン 2パーセントから11パーセント
・ユニットバス 4パーセントから39パーセント
・洗面台 2パーセントから13パーセント
・トイレ 2パーセントから33パーセント
メーカーによって値上げ率は異なりますが、ユニットバスは特に値上げ幅が大きいので注意しましょう。
また、人件費も年々上昇していることも建築費用の高騰に影響しています。
最後に、住宅の値上げがされている中で、これから注文住宅を建てる場合はどのような対策をするべきかを紹介します。
1つ目は、早めに行動を始めることです。
将来、家を建てたいと考えている方は、早めに行動することをおすすめします。
注文住宅を建てるためには、ハウスメーカー探しや間取り決めなど決めることがたくさんあるので、1年から1年半はかかります。
しかし、多くのハウスメーカーでは、契約時の坪単価で値段が据え置かれるので、引き渡しまでに坪単価が上がっても価格はそのままです。
そのため、ハウスメーカーが決まればできるだけ早く契約した方がお得と言えるでしょう。
2つ目は、具体的な見積もりを出してもらってから契約することです。
ハウスメーカーが決まれば早く契約するのがおすすめですが、だからと言って、とりあえず契約するというのは避けましょう。
坪単価は変わらなくても、間取りの広さや設備の仕様が変われば価格は変動するからです。
無理だと感じて契約を解除するためには解約料がかかる場合もありますし、契約後に予算を大幅に超え、住宅ローンがきつくなるという状況に陥ってしまう可能性があります。
そのため、具体的な見積もりを出してもらってから契約を進めましょう。
また、ベランダをなくしたり、寝室を狭くしたり、廊下をなくしたりすることで予算オーバーを防げるかもしれないので、それらの見積もりも出してもらいましょう。
3つ目は、契約後に価格変更がないか確認することです。
契約する際に、契約書をしっかりと確認しましょう。
契約書には、「不可抗力や不測の事態の際には、工期や金額の変更が可能」という内容が書かれていることが多く、ウッドショックがこの内容にあたります。
契約後や着工後に価格が変更される可能性があり、合意書を求められます。
どのような契約なのか、万が一値上げとなった場合に負担額はどのくらいになるのかを確認しておきましょう。
さまざまな要因が重なり、住宅価格は値上がりしていますが、今後もさらに値上がりされることが予想されているため、値上がりしたからといって見送る必要はありません。
住宅資金や返済プランに無理がない場合は、前向きに家づくりを進めていきましょう。
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