2016.05.14 イベント情報
『住宅と健康の関係』
こんばんは
以前から出てはいましたが、昨今の住宅業界では非常に頻繁に扱われている話題が
『住宅と健康の関係』です
近畿大学の岩前教授などが様々なデータを取り
健康リスクと住宅の温度との因果関係が証明されてきているからというのもあると思います
基礎的な知識として代表的なデータが
家庭内事故での死亡者数と交通事故による死亡者数の比較
1996年当時の交通事故による死亡者数が約14,000人
家庭内の不慮の事故による死亡者数が約10,500人 だったのに対し
2013年には完全に逆転し
交通事故による死亡者数が5,000人弱
家庭内の不慮の事故による死亡者数が14,000人超!!
この家庭内の事故の代表的なものが「ヒートショック」と言われるものです
急激な体感温度変化によって血管の収縮・弛緩
血圧の上昇・下降で循環器系の疾患(心筋梗塞等)
脳血管疾患(脳梗塞等)のリスクが高まります
長野県の月別死亡者数と3大疾病による月別死亡者数を見てみると
やはり冬場に数がぐっと増えています
ちなみに長野県の脳血管疾患による死亡者数は全国4位だそうです
では、長野県での冬の部屋の温度はいうと(2012年調べ)
なんと!!全国最下位!!
県レベルで比較すると日本で1番寒い部屋で過ごしているということです!!
(北海道は逆に設定温度がほんとに高く冬でも家の中でTシャツで過ごすという家が実際に相当数あるようです)
これまでの住宅の断熱性能の悪さもある上に
寒冷地なのに節約のために我慢をして健康リスクが高くなるというのが実態なのでしょうか・・
こういった健康リスク軽減のためにも断熱性能を高めた住宅が求められ
今や常識になってきています
確かに断熱性能を高めるためには新築住宅ではコストアップにつながりますが
コスト面というなら健康リスクからくる医療費も含めた生涯のランニングコストから考えることも重要です
(このあたりのデータもまたご紹介できると思います)
何より「長い年月家族がが健康で健やかに暮らすための家」でなければならないはず
『高性能な器としての躯体』は家族の健康も守ります
この当たり前のことが本当に当たり前にできるように
これも建築屋の使命です